神戸を楽しむ

【ヴィッセル神戸J1初優勝】ホームに10年通って気付いた変化

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2023年11月25日

神戸市民にとって、ヴィッセル神戸サポーターにとって、忘れられない日となりました。

29年越しの悲願である、J1初優勝です。

わたしも丸10年、ホームであるノエビアスタジアム神戸に幾度と足を運び、ゆる~く長く応援してきました。

ヴィッセル神戸が今年優勝した背景には何があったのか。

INSIDEをみながら書いています。どうぞお付き合いください。

「なな、大丈夫だ!」

「なな(飯野七聖)大丈夫だ、次があるから!」

神戸サポーターなら多くの人が記憶に残っているかな。吉田監督の言葉です。

シーズン残り3試合、優勝目前の重要な試合「11月12日 vs浦和レッズ」

飯野選手の受けたボールが結果的に浦和に渡ってしまい、ゴールを決められた。

試合後、涙を流していた彼を励ましたのは、チームのみんなであり、また吉田監督がロッカーで伝えた「なな、大丈夫だ!」のひと言でした。

吉田監督のひと言は飯野選手自身を守り、外部からの被害(アンチ)も大きく回避できたはずです。

その場面をちゃんと記録して世に出したヴィッセル神戸の広報さんにも、わたしは心から拍手を送りたい。

もうひとつ、忘れてはいけないのが、大迫選手の言葉。

「ミスはカバーすればいい」

ロスタイムギリギリで大迫選手が得点を入れたのも、まさに有言実行。

この1点でヴィッセルは勝利、飯野選手の今後の人生に大きく影響するできごとだと思う。

彼が流した涙は、悔しい気持ちだけでなく、チームの愛を感じたに違いない。

次の試合で飯野選手はしっかり恩を返し、見事チームは優勝したんですから。

人が本気で何かを成し遂げるとき、必ずキーワードになる言葉があります。

それが、恩と愛。

つらくてたまらない時でも、すべてをわかってくれる仲間と監督がいて、その計り知れない気持ちや思いを行動で表すとき、人は本気になり力が出る。

支え合ってきたからこそ、今のヴィッセル神戸があるんだと思うんです。

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ヴィッセル神戸の変化

長年ホームでヴィッセル神戸を見てきて、今年は変化が2つありました。

見捨てない

期限付き加入の齊藤未月選手が大けがをして、クラブは完治するまで完全移籍という形を取り、常にチームは「#未月とトモニ」を掲げてきました。

見捨てない。

ケガのリスクを日々感じながらプレーする選手たちにとって、これほど力強いチームがあるだろうか。

優勝した日に、回復をギリギリ間に合わせ出場した山口蛍選手が「メディカルスタッフ含めて…」と涙したことからわかるように、選手ひとりひとりを絶対に見捨てない、その思いが強いことをクラブが証明してくれました。

使える選手だけ使う

大迫選手によると、勝利へ導いた大きな変化は「吉田監督が基準を明確にしてくれたこと」だったという。

吉田監督は一切の忖度なしに、頑張った選手、使える選手だけを使ってきた。

ある意味、残酷なくらいブレずに。

イニエスタ選手は吉田監督になってから出番がなくなってしまったけれど、覆面記者の記事にもあったように、彼のおかげでチームの実力が驚くほどアップしたことは間違いない。

彼が神戸に来てくれたから、大迫選手など海外組も移籍してくれたわけで。

吉田監督の基準は、頑張れば誰でも活躍するチャンスがあるという信頼に繋がったんじゃないかな。

個人的に来年とても楽しみにしているのは、パトリッキ選手。

今年は何度もいいタイミングでシュートしたものの、なかなか入らなくて。

外しまくりのパトリッキにサポーターもモヤモヤしたかもしれないけれど、さすが外国人選手、タックル成功率76.9%、走るのもめちゃ速い。

試合の流れを変える大きな力だったんだろう。

シュートの精度が上がってきたらもっと即戦力になるので、頑張ってほしいです。

神戸市民のわたしから

ヴィッセル神戸が初練習を予定していた1月17日に、震災が起きました。

完成したばかりの天然芝のグラウンドはがれき置き場となり、苦難からのスタートであり、被災地と共に歩んできたチームなんです。

わたしはこの10年、長くゆるくヴィッセル神戸を応援してきました。

ゆるく、というのはみなさんもご存じの通りヴィッセル神戸は昨年も最下位争いで、とにかく弱かった。それでも毎年何度もかかさず、あったかい気持ちで。

スタジアムに足を入れる喜びや、好きなチームを知らない人と一緒に応援する楽しさにハマっていきました。

今年ヴィッセル神戸が優勝した要因はたくさんありますが、特に時代の流れに神戸が合ったこと。

運を味方につけることができた。

まず、サポーターの質が今の時代にあっている。

ヴィッセル神戸のサポーターは他クラブよりも人数は少ないかもしれないけど、地域柄なのか、優しい人が多い。過激な発言も比較的少ないと思う。

誹謗中傷をゼロにすることは難しいかもしれないけど、みんな段々わかってきたはず。

アンチは誰も救わない。

ネガティブ・悪口をサポーターが言えば言うほどチームに悪影響、ってそろそろ気付いてきたんじゃないかな。

「気」の話になりますが、ネガティブなことや悪口をいう人と一緒にいると、同じようなネガティブ思考になったりする。すなわちネガティブな人の「気」に飲み込まれるんです。

けれど、ネガティブな人とポジティブな人がいた場合、より強い方が飲み込みます

ヴィッセル神戸は選手も監督もサポーターも、強かった。最後まで悪い気に飲み込まれなかった。

怪我をした選手を支え、負けても次だ、次!と声をかけ続けた、神戸らしさがつかんだ結果です。

神戸マラソンが晴天の素晴らしいお天気に恵まれたこと、阪神・オリックスが優勝して神戸で優勝パレードが行われたこと、神戸ポートタワーの工事カバーが外れたこと、念願のルミナリエが再開されること、数えるだけでも多くの「幸運」を神戸は持っています。

運気爆上がりの神戸が、ヴィッセル神戸の優勝も叶えたのは、必然の流れだったのかもしれない。運も実力あってこそ。

選手のみなさんには心から拍手を贈りたい、そしてたくさんのワクワクをありがとうございます。

サポーターのみなさん、いつもあたたかいクラブにしてくれて、ありがとうございます。

2023年のベスト3に入る、忘れられない素晴らしい日になりました。

感謝を込めて。おめでとう!!!

やったぞーーー!!!

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Yumi Miyai
<Webライター・ブロガー> ザ・リッツ・カールトン大阪で11年勤務後、2児の母に。 「好きなことだけして生きる」をモットーに、キレイは運動と心で叶うコツを発信しています。