「ママランナー・ママアスリート」のような言葉は、一見は敬意をこめて言っているようですが、実はジェンダー平等の観点からいうとNGです。
年々世界問題のひとつである性別による偏見や不平等があると言われていますが、一般人のわたしたちランナーやアスリートでも、多くその問題を感じています。
ジェンダーなんて知らない、気付いていない、ではすまされない時代がきています。
言ってはいけない差別発言を知らずに言ってしまうなんてカッコ悪いじゃないですか。自分の古い考えをアップデートして、すべてのランナー・アスリートが共に活動できる日を目指していきましょう!
何が偏見発言なのか、そしてSNS発言で注意すること、わたしが受けたジェンダー経験談もご紹介します。
ジェンダー問題ってなに?
ジェンダー(gender)とは:
生物学的な性別(sex)に対して、社会的・文化的につくられる性別のことを指します。世の中の男性と女性の役割の違いによって生まれる性別のことです。
簡単にいうと「男らしさ」とか「女はこうあるべき」といったことに関連つけて考えること。
よくあるたとえでいうと、「料理は女がやるもの」と考える人がいますが、男で料理が上手な人もいます。これがジェンダーです。
わたしはママであり、ランナーでもありますが、わたし自身が「ママランナー」という言葉は使いません。なぜなら「パパランナー」とは言いませんよね。
そこには「ママなのにランニングしてることがすごいよね、ママなのにアスリートってすごいよね」という一見敬意を込めているようですが、それは偏見や不平等ということになるのです。
現にママでもパパでも、プロアスリートは多くいますよね。
SNS発言で注意すること
わたしはインスタグラムでランニングアカウントを発信しています。
わたしだけではなく他の女性ランナーの方のコメントにもよく書かれている言葉が「ママに見えない!」とか、「ママなのによく走ってすごいですね!」など、ママなのに運動している姿を褒めたコメントです。
実際にコメントを書いている人は、褒めたつもり、悪気がある訳ではないのです。しかし今の時代、その考えはあまりに無知だと思いませんか?
SNSで発言するとき、誰かの投稿にコメントするとき、DMするとき、ちょっと一呼吸置いて偏見がない言葉を使っているか考えてから送信ボタンを押せるようになりたいですよね。
こちらの記事にも掲載されていますが、
「ママさん選手」使っちゃダメ?校閲から考えるスポーツとジェンダー
国際オリンピック委員会がジェンダー平等に注意を促す「ポートレイヤル(表象)ガイドライン」を公開しました。そこでもママさんアスリートはNGです。
わたしが受けたジェンダー
わたしはトライアスロンをはじめた頃に、ベテランおじさんのトライアスリートに言われた言葉があります。
「女性なのにトライアスロン始めたの?辞めとき!女はのんびりしたことしてたらいいの。」
その方は長年トライアスロンをされていて、それが生き甲斐。ロングディスタンス(長距離)に出ているので、女性がそんなキツイこと、わざわざやらなくていいじゃないか、という気持ちがあってそうおっしゃったのだと思います。
けれど、わたしは違和感しかありませんでした。この時代にまだそんなこと言っている人がいるなんて。トライアスロンにはショート・ミドルなどの短い距離もありますし、いまどき「女は~」とかいう人は珍しいくらいです。
わたしが「トライアスロンをしてみたい!」と言ったとき、まわりのトライアスリートの皆さんは心から応援してくれて、初心者のわたしをサポートしてくださいました。初心者向けの大会を教えてくれたり、ロードバイクを貸してくれたり、練習に付き合ってくれたり。
今思い出してもトライアスロンをはじめた時に応援してくれた人たちは、本当の意味で素晴らしいトライアスリートだと思います。人を心から応援できる人、それがアスリートです。
まとめ
男らしい、女らしい、という決めつけをせず「その人らしさ」を尊重することが、個性を大事にすることでもあります。
もうサザエさんのような家庭は、古いのです。時代はどんどんアップデートしています。サザエさん家庭が古いということにすら、違和感がないようなら危険信号ですよ!
では、また明日。