わたしは太極拳を習いはじめて１年半が経ちます。
太極拳はお年寄りがしているイメージが強いのか「なぜ太極拳？」と本当によく聞かれます。
４０代女性でフルマラソンやトライアスロンにも挑戦したわたしが、なぜ太極拳を熱心にしているのか、わたしの意見をご紹介します。
・太極拳に興味がある
・年齢問わず長く継続できる運動を模索中
・怪我や故障なくランニングをしたい
・楽しいことが見つからない
・自分はちょっと変わってる人だと思う
なぜ太極拳を始めたのか
わたしはスポーツジムで「太極拳」を習っています。
ジム内でスタジオプログラムがあり、ヨガやエアロビクスなどがあります。
その中に「太極拳」があるので、ジム会費内で太極拳も習っています。
はじめた理由は、以前ランニングで膝を痛めた経験があり、身体の使い方や体幹トレーニングに興味があったから。
故障せずに長く好きなスポーツをする為に、身体のことを知り、使い方を間違わない方法を模索していたのです。
そのヒントが太極拳にあると聞いて、とりあえず習ってみることにしました。
はじめの印象は…
・簡単そうで難しい
・年齢に合わせて調整できる
太極拳は年配の方が多く習っているので、若い世代の人やわたしのように４０代で始める人は本当に少ないです。
４０代は忙しい世代なので、時間に余裕がないから太極拳を習う人が少ないのでしょうか？
ヨガやエアロビクス・ボディコンバットなどはとても人気がありますので、時間の問題ではないと思われます。
実際に習ってきて感じることは、太極拳は想像以上に難しくて、諦める人が多いということ。
「年配の方がしているのだから、自分にも簡単にできるだろう」という思い込みからスタートする人が多いため、全然できなくて挫折するんです。
太極拳はどこが難しいのか？
・手と足の動きが左右で違う
・手足の向き/高さ/方向などの細かい動きが決まっている
・ラジオ体操のように縦横の動きだけでなく、左右前後身体の向きが変わる
真っすぐ前を向いているだけじゃないので、自分が回るとちょっとしたパニックになるんです。
初心者はそこがとても難しく、後ろを向いたら、先生は見えません。
そこで難しく感じて、すぐに辞めてしまうようです。
ランナーのわたしがハマる理由
「根気」が必要。
ランニングは根気がないとできない。
長時間同じ動きを淡々とこなすのは、実はすごいことなんです。
だからこそ、ランナーなら太極拳というはじめての武術を、諦めずにコツコツ学ぶことができるはず。
わたしはヨガやコンバットなどいろいろ挑戦してみました。
ヨガは体幹もバランスも強化されるし、ランニングとの相性も良い。
なぜヨガじゃだめなのか、なぜ太極拳なのか。
それは「学んでも学んでも、できないから」です。
きっと何十年やっても、完璧はなくて、ずーっと学びがあるからです。
ヨガだったら、太陽礼拝とか木のポーズとか、数回通えば自分である程度できるようになります。
太極拳は２４式といって、24の技を順番にやっていくんですが、そのひとつすら習得するのに何年もかかります。
ものすごーく奥が深い。
わたしは２４式を下手でもただ覚えるだけで１年半かかりました。
細かい動きはまだ全然できていません。
１０年以上継続している方でも、毎回レッスンの時に「そうか、そうだったのか」と言うくらい、学びが深く、簡単ではない。
一生かけてやるのが、太極拳なんです。
その難しさの中に、少しふわっとした気の巡る瞬間があります。
人間の身体には、無限大マーク「∞」のように、螺旋状に身体の中が巡っていて、血流だったり気だったり。
これを「からだが繋がる」というんですが、ランニングでも足だけが走っているわけじゃなくて、頭の先から全身を上手にリンクさせて走ることができる瞬間があります。
その瞬間の積み重ねが、スポーツの上達を感じる時であり、楽しさなんです。
そして、太極拳は「気」を巡らすことから、その瞬間を他のスポーツよりも強く感じることができます。
気持ち以外にも、もちろん体幹やバランスは太極拳がうまくできなくても向上します。
わたしは片足立ちやバランス感覚が驚くほど上達しました。
足の裏の「ここ」という重心ポイントがわかるようになるので、頭から一本の棒でズドンと下まで突き刺したような安定感。
普段の生活が楽になります。身体が安定するから。
反り腰も治ります。
わたしはすごく反り腰なので、骨盤を立てて動く太極拳は効果があります。
「お年寄りばかりが通っている太極拳、なぜ若いのにするの？」って、すごく言われます。
もっと若いからこそできるスポーツがある、って。
わたしから言わせると、中国武術ってめちゃくちゃカッコいいのに、お年寄りがするものっていう偏見こそ、間違っている。
中国では子どもの頃から武術をしているし、自分の人生ステージに合わせて調整できるものって素晴らしいと思うんです。
公園で体操のように太極拳をしている年配の方は、すでに何十年もやってきた人が多いし、ちゃんとやり方を工夫している。
わたしのクラスのべテランの女性は、１０年以上継続されていて楽そうに２４式太極拳をされるけど、気の巡りがすごいので終わったら汗がぼたぼたに。
若い人はいくらでもキツく太極拳をすることができるし、わたしはキツくて足の筋肉が痙攣するほど筋肉痛もすごいです。
想像と全然違うと思いませんか？
これ！っていうものに出会うコツは、たくさんのことをやってみること。
数多くの経験をしてみると、ひらめきのような、これ！に出会えます。
ジムのスタジオプログラムも、全部出てみたらいいのです。
全部出て、その中から絞っていって、好きなものを見つける。
年配の方は人生の先輩です。
多くの先輩方が何十年も継続しているものって、どれほど素晴らしいものがあるんだろう？って、興味を持つことから始まります。
他者目線なんて気にしないで、自分を信じて楽しいと思うことを、選んでつかんでいく。
「なんでそんなに挑戦できるの？」ってよく言われるけど、客観的にみた自分が面白いから、ただそれだけで継続できたりするんです。
「太極拳してるんです」っていうとびっくりされるので、みんなのその顔が見たいだけかもしれません（笑）
心の中にどれだけ密かなワクワクを持っているか、ということ。
では、また。
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